7/12(日)に開催したグレート義太夫さんとの落語だけの二人会『うそつき迷人会』が無事終わりました。
ご来場、誠にありがとうございました!


松本明子さんからお花をいただきました。ありがとうございます!

落語家でない二人が落語を演るだけでひと苦労なのに、なんとサプライズで立川梅春ことビートたけしさんが登場してしまい、うれしいやらプレッシャーやらでなんだかわけが分からなくなりながら、準備を進めていました。

最初、義太夫さんに「義太夫さんも落語を演るなら、二人で落語だけの二人会をいつかやりましょうよ」といったのがそもそものきっかけで、ただ漫然とやるよりはなにか目標を持ってやりたいな、という思いだけだった。
その後、義太夫さんと何度か一緒に落語に挑戦する中で、二人のネタの数も増えてきたので「来年あたり、そろそろやりましょうか」という話になり、今年に入って場所を押さえたらその直後に殿(ビートたけしさんね)が立川談春師匠の落語会に出て落語を演った、というニュースが出てきてビックリ!
その後、義太夫さんと話しているうちに「二人会のことを殿に一応報告したら少しは喜んでくれるかな」ということになり、先月義太夫さんと殿にご挨拶に伺った。
すると、殿が「オレも出ようかな」とおっしゃり、さすがに冗談だろうと思ったんだけど、なんか虫の知らせというか「来ることはないと思うけど、来てもいいように準備だけはしておいた方がいい」となんとなく思っていたら、義太夫さんもまったく同じように思っていたようで、そこから普段以上の緊張感の中で稽古や準備を進めた。
その後殿から「行く」なんて話は全然出ていなかったのに、なぜか会の2週間ぐらい前から緊張で寝られなくなっちゃって、身体を壊すこともマズいけど、これは本当に来ちゃうんじゃないか?って思い始めていたら、本当に来ちゃった!っていうのがそもそもの経緯。
一応数日前に「行く」という連絡がマネージャーの方から義太夫さんにあったんだけど、それでも実際に会場のお江戸日本橋亭でお会いするまで実感が湧かなかった。
先輩に失礼な言い方になっちゃうけど、義太夫さんも私も稽古はもちろん集客やその他の準備に必死で当たってた。でも、それでも、殿に出ていただいていいのかなあ?という思いは本番まで抜けなかった。

でも本当に目の前に殿がいる。本来ならものすごく喜ぶべきなんだろうけど、とにかく粗相があっちゃいけない、だからこそ会を成功させなきゃいけない!そればかり頭にあった。

ただ……、会場に着いてからの殿は、そんな私の心などお構いなしに私たち出演者や周りのスタッフにしゃべりまくっている。それがまた死ぬほど面白い!!完全に私の頭も心も本番前なのにグチャグチャになっていた(笑)
っていうか、私が車椅子の関係で楽屋に入れないから仕方ないんだけど、緞帳の閉まった舞台上で殿がガンガンしゃべるから、サプライズなのにお客さんが気がついちゃったらどうしよう!?でもそんなことはお構いなしに殿のしゃべりはやっぱり面白い!私の心身はすでに崩壊寸前だった(笑)

ちょうどそのタイミングで二番太鼓が鳴ってくれ私はなんとか助かったが、とにかく完全に思考が止まってしまい、「もうこうなりゃヤケだ!」と開き直ったところで開演。

義太夫さんとの挨拶は普段二人でしゃべるとずっとしゃべり続けちゃうのに、今回はやはり緊張しているのか10分予定してたのに3分で終わった(笑)我ながら情けない!

その後気を取り直して私の『反対俥〜車いす編〜』。
実はこの日一つだけ期していたことがあった。それは殿の前で今の自分の全力の力を見せること。
"史上初の身障者芸人"という特異な立ち位置でデビューして以降、初めてテレビでネタをしゃべらせてくれたのは殿だった。
それから10年以上経ちまだまだ未熟なのもよくわかっているが、それでもそもそも殿の前でネタを披露する機会なんて、たとえテレビで殿の番組に出させてもらったってそうあるわけではなく、こんな機会はまずない。だからどうしてもやりたかった。
もちろん殿も自分の出番前でもあり、聴いていただけるかなんてわからなかったけど、でもとにかく全力でやろうと思った。

そして、出囃子はこの日のために義太夫さんが用意してくれた天龍さんの入場テーマ『サンダーストーム』の三味線バージョン(天龍さんにも許可をいただきました)。
この出囃子がまた気合を入れてくれた!
マクラからひたすらしゃべりまくった。しゃべりながら気づいたことは、ここまでの緊張感の中でやったのはいつ以来だろう?ということ。もちろん普段だって手なんか抜いてないし、毎回必死でやってる……でも、どこかで力をセーブするというか気を抜いていたのかなあ、とすごく反省した。
今回だってセリフを間違えたりネタを飛ばしちゃった部分もあったけど、でもぜんぜん充実感が違うんだよね。もっとがんばります(汗)

やり終えて下がると、着付けを手伝いに来てくれていた母が「たけしさんがずっとあんたの高座を見ていたよ。私の横で『あいつのしゃべりは本当にオレそっくりだな』っていってた」。
私は母に「お願いだから涙腺が緩みそうだから今はやめて」というのが精一杯。これがお褒めの言葉なのかただ殿が感じたことをそのままおっしゃっただけなのか?そんなことは私にはわからない。でも、殿に影響を受けた芸人なんて数多いる中で、殿自ら「似ている」と後半のトークでまでおっしゃってくださったのは本当に嬉しいし、生涯の宝だと思った。

自分のやるべきことをやり切りホッとした中でいよいよ殿。
といってもサプライズだから誰も知らないし、『立川梅春』のめくりを出してもほとんど誰も気がつかない中、これまた義太夫さんが作った『浅草キッド』の三味線バージョンの出囃子の流れる中、殿が登場。客席が徐々に騒然としていく。「あれ?たけし?」「いや、まさか生でビートたけしは観られないでしょ」「でもなんか似てない?」という心の声が手に取るようにわかる中、殿が正面を向いた途端のどよめきと大歓声は、自分に向けられたものでなくても忘れられない衝撃だった。
実はこのとき私は、前述したように楽屋に入れないため、舞台の脇に衝立を置いて舞台袖にしていたんだけど、高座の殿との距離がなんと3mほどしかない超至近距離!こんな間近で殿の漫談(マクラ)と落語を聴けたのは多分今後も含めて私しかいいないだろう(笑)だけど殿はやりづらいだろうなあと思いつつ拝見させていただいたが、とにかくお客さんの掴み方が半端なくすごい!一つひとつのネタを確実に当てていくのを間近で見ていて鳥肌が立った!そしてひと通り笑わせた後、突然私や楽屋に向かって「落語演った方がいいの?」と聴かれたので、「お願いします!」と皆で答えたら、突然笑い出し「オマエはなんでそこにいるんだよ!?」とツッコミつつ扇子で叩かれた(笑)これはこれですごくおいしいのだが、ただ殿からは私は丸見えでも客席からは衝立で私の姿は見えず、ビミョーにおいしくない!それでも殿の動きと声でお客さんは大爆笑!私もウケたからまあいいや(笑)

そして高座に戻り、私は「殿はどうやってまた一人しゃべりに戻すかなあ」と興味津々だったのだが、殿はなんとそこからいきなり落語に入った!こんな落語への入り方見たことない(笑)
落語は『寝床』。途中町内の人たちが旦那の義太夫(「グレート」じゃないよ笑)を聴きたくないための言い訳を並べる中に、いきなり『芝浜』の夢のくだりを入れちゃったり、さらに旦那が奉公人の一人に義太夫を聴かせようとして奉公人が逃げる場面には『黄金餅』の道中立てが入っていたりと落語ファンの心をくすぐる演出も散りばめられていて、しかもそれらの落語はすべてが志ん生師匠のがベースになっている(ここまでの落語の話がわからない人は、とりあえず調べるかとりあえずすごいんだと合点するかしてください笑)。きっちりサゲまで演ってくださった!

そして、義太夫さんの『饅頭こわい〜たけし軍団編〜』。
殿の後でやりづらいだろうな、と思ったが、逆に殿のことも軍団のこともネタにしながらきっちり大爆笑を取る。さすが!と思いつつ、このネタもらいたい!とも思ってしまった。軍団の一員の義太夫さんとは違ういじり方ができる気がしたんだよね。
でもとにかくあの完全に殿一色に染まった高座を塗り替える力はすごい!

ここで終わると見せかけておいて、そこから殿と義太夫さんと三人でトーク。
客席からの「たけしさん、まだ帰ってなかったんだ!」という空気が横にいても気持ちいい(笑)
トークはまったくここでは書けない内容ばかり!殿が飛ばしまくった(笑)

そんなこんなでひたすら緊張したが、あっという間に終わった。
いやあ、こんなに緊張したのもこんなに充実感を得たライブもかつてない。
殿のおかげで、お客さんにとっては間違いなく最高なひと時になったと思うし、義太夫さんは「夢心地」だそうだし、私は芸人としての新たな原点を作っていただいた、と思っている。
本当にありがたい。

そしてなにより、殿が来ることはまったくいっていないのにお江戸日本橋亭を満席にしてくださったお客様、本当に本当にありがとうございました!


それと、6月末よりホーキング青山のの音声配信サービス『週刊 ホーキング青山』(毎週火曜日更新)をYouTube上で始めたんだけど、最新の7/14で今回の殿が出られた義太夫さんとの落語だけの二人会の模様を語っていますので、ぜひそっちもお聴きください!
『週刊 ホーキング青山』7/14 「ホーキング青山とグレート義太夫の落語会に立川梅春ことビートたけし登場!その衝撃の落語会を振り返る!!」 



さて次回は、パンチの強い爆笑落語でテレビやラジオのレギュラーを持ち、今最も注目される二つ目の桂宮治さんに、落語をたっぷりご披露いただきます。
ぜひいらしてください。

『ホーキング青山とホーキング青山が好きなゲストの会〜桂宮治編』
ゲスト:桂宮治
日時:2015/8/23(日)PM6:00開場/6:30開演
料金:前売2,000円/当日2,200円  ご予約受付中
会場:らくごカフェ(東京メトロ・都営地下鉄神保町駅A6出口徒歩1分)〒101-0051東京都千代田区神田神保町2‐3神田古書センター5階 TEL 03-6268-9818(平日12時〜18時受付)
チケットご予約:らくごカフェ メール
rakugocafe@hotmail.co.jp/TEL 03-6268-9818※TELのみ平日12時〜18時受付 メールかお電話でライブの日程(8/23夜)とお名前・ご住所・ご連絡先・ご来場される方の人数をお伝えいただき、当日会場にて料金をお支払いいただきます
お問合せ先:(株)ホーキング青山プロモーション TEL 03-3752-8252/HP
http://www.hawkingaoyama.com/(パソコン・携帯ともに「ホーキング青山プロモーションへのメール」から)※会場のらくごカフェは車いすの方でもお気軽にお入りいただけます(エレベーターあり)。また、もしなにかございましたら、お気軽に声をお掛けください。
なお、車いすの方の席の手配の都合上、必ず前日までにご予約いただき、ご予約の際に「車いす使用」の旨をお知らせください。