前回ここで書いた今進めている本の企画で福祉の勉強にあちこち行ってるんだけど、今回は先の震災の際に福祉現場はどうだったのか?どのように対処したのか?ぜひ知りたく、NHK厚生文化事業団主催のフォーラムに行ってきた。
こういうイベント自体、見に行くのがはじめてで内容以前に「どんな感じで、どんな風に進むんだろう?」と楽しみにしてたが、非常に興味深く、考えさせられるイベントだった。

<出演者>
井上 朝子(自立生活センターCILたすけっと事務局長)
青田 由幸(NPO法人さぽーとセンターぴあ代表理事)
内出 幸美(社会福祉法人 典人会 理事・総所長)
立木 茂雄(同志社大学社会学部教授)
湯浅 誠(反貧困ネットワーク事務局長、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局次長)

上の三名の方は被災地より来られた方で、この人たちがそれぞれ自らはもとより障がい者や高齢者を見事に救ったエピソードが紹介された。といっても決して武勇伝や無条件に奇跡を讃えるような話でなく、高齢者が自分の荷物に強いこだわりを持つことから荷物の入ったかばんを施設の玄関に置いたらスムーズに避難ができた避難訓練の経験が訓練の二日後に震災が起き、活かすことができた話。震災後、バリアフリー等の環境面や介護の問題等で避難所での生活が厳しい障がい者のために物資の調達をはじめ支援の手を差し伸べた話、福島第一原発の事故の影響で避難区域が指定されても障がいゆえ居住地を離れられない人が避難区域に残っている現状で、誰の手も入らない中、デイサービスの一事業所が元々自分のお客さんだった人をはじめ避難区域に残ってる人たちに手を差し伸べてきた話が紹介された。
あの震災が起きて以降、あんなに大きな災害が自分に起きたらどうやって対処すればいいんだろう?とばかり考えてた自分にとって、障がい者自身が救い手となって救援の手を差し伸べるというのはその発想そのものが衝撃だったし、それとこれは私も今訪問介護事業所を持ち経営しているが、事業所としてこういうことに積極的に取り組んでいる姿勢は、同じ介護事業所を持つ者として非常に刺激になった。
また、こういうイベントに年越し派遣村で一躍有名になった湯浅誠氏が出られてるのも、すごく良いことだと思う。
長い間なかなか変わらない福祉の世界には、絶対に新しい人が必要。それもできるだけ福祉と関係ない、あるいは福祉の世界と真逆の生産性の高い業種の人に福祉の世界に興味を持ってもらうことは、今後の福祉にとってすごく大事なことだと思う。

障がい者も助けてもらう側から助ける側に、今「ノーマライゼーション」という言葉に加え、障がい者を同じ社会を構成する一員として社会の活動に取り込む「インクルーシブ」という言葉が使われているが、この「インクルーシブ」な社会を構築するための重大なヒントがあると感じたフォーラムだった。